赤毛のアンを描く
小説は何巻もあって全部読んだわけではないが、映画のシリーズを二本、テレビシリーズも二本ぐらい見た。さらにいま、Netflixで「アンという名の少女」がアップされている。
映像作品はどれも面白くハズレがない。ただ「青春の門」や「人生劇場」みたいに長い小説を最後まで追っていけないのが難である。
世代的には、90年ごろのミーガン・フォローズが演じたアンが一番馴染みがある。
冒頭、マシューじいさんが、男の子のつもりで養子を迎えに行った駅で赤毛のアンと出会い、グリーンゲイブルズの家に連れて帰るシークエンスは、どの作品でも何度見ても何度でも泣けてくる。
寡黙でシャイで、いつも溢れる優しさを内に秘めているマシュー、彼はある種、父性の理想像ではないかと思われる。