トレース画法
トレース画法という技法はネットで知っていたが、その提唱者、森田健二郎先生によると、これは昔からプロの秘密の手法であるらしい。たとえば、日本人が大好きな画家フェルメールも、初期の写真機を利用してトレースしていたという。
絵の価値に手法は問われないーというのは確かに真理かもしれない。そうなるとトレース画法の問題点は、結局、著作権に関わる一点だけに収束してしまう。
しかし、今は写真をそのまま油絵風、水彩画風に変換するアブリがある。人物写真をイラストやマンガに変換するアプリもある。
作品の発表の場がネットになり、デジタル加工が発達した現代、基本中の基本であるデッサン力をすっとばすやり方をつきつめれば、絵画そのものの存在価値が問われることになってしまうのではないか?
絵を描く、という精神作業の意味とはいつたい何だろうか?